
神奈川県内でも、ブロック塀の撤去にいくら出るかは市ごとにまったく違います。藤沢市は上限45万円、小田原市は上限10万円で今年度は受付終了、横須賀市は制度そのものが終了。6市の要綱を並べて、金額と受付期間、そして申請の順番をまとめました。
6市の一覧
同じ神奈川県内でも、制度の中身はここまで違います。市の名前をクリックすると、条件と担当課の電話番号が出ます。
| 市 | 状況 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|---|
| 秦野市 | あり(金額は市の公開ページに記載なし) | 市の公開ページに記載なし | — |
| 横須賀市 | 終了(令和元年度まで) | — | — |
| 鎌倉市 | あり(1/2、通学路は9/10) | 標準工事費と見積金額の少ない方の1/2(市立小学校の通学路に面する場合は9/10) | — |
| 茅ヶ崎市 | あり(上限20万円、高齢者のみの非課税世帯は30万円) | 次の3つのうち最も低い額 | 20万円(世帯全員が65歳以上かつ非課税の世帯は30万円) |
| 藤沢市 | あり(1/2・上限30万円、津波避難路沿いは3/4・上限45万円) | 対象工事費の1/2(津波避難路沿いは3/4) | 30万円(津波避難路沿いは45万円) |
| 小田原市 | あり(1mあたり1万円・限度額10万円)/令和8年度は受付終了 | 撤去するブロック塀等の長さ1メートルあたり1万円(小数点以下切り捨て) | 10万円 |
この表は2026年9月時点のものです。ブロック塀の補助は、年度ごとに予算枠が決まっている市がほとんどです。小田原市は令和8年度分が9月11日で受付終了、横須賀市は令和元年度で制度そのものが終了しています。申請の前に、必ず各市の担当課に最新の状況を確認してください。
金額だけを見て決めないほうがいい理由
上限額がいちばん高いのは藤沢市(津波避難路沿いで上限45万円)ですが、実際に受け取れる金額は「工事費に対する割合」で決まります。茅ヶ崎市のように「見積額」「見付面積×6,000円/㎡」「上限額」の3つを比べていちばん低い額、小田原市のように「1メートルあたり1万円」と長さで決まる市もあります。短い塀なら、上限が高い市でも受け取れる額は小さくなります。
もうひとつの落とし穴が「目的」です。鎌倉市は販売目的での除却を対象外と明記しています。実家を売るために塀を壊すなら、この補助は使えません。売却の段取りと補助の申請は、順番を間違えると両方とも損をします。
どの市にも共通する順番
- 写真を撮る。塀の全体、亀裂やぐらつき、道路との位置関係。
- 市の担当課に電話する。道路の種類で窓口が変わる市があります。
- 見積を取る。撤去費・運搬費・処分費・整地費を分けてもらいます。
- 申請して、交付決定の通知を待つ。
- 通知が届いてから工事を始める。
- 実績報告を出す。年度内の期限があります。
3番と5番を入れ替えないでください。6市すべてで、交付決定より前に工事を始めたものは対象外になります。「見積が出たから、そのまま頼んだ」がいちばん多い失敗です。
対象になる塀・ならない塀
各市の要綱を並べると、対象の線引きはおおむね次の3点です。
| 見るところ | よくある条件 |
|---|---|
| 面している場所 | 道路(建築基準法42条の道路など)、通学路、公共施設に面していること。敷地の内側だけの塀は対象外になりがちです。 |
| 高さ・長さ | 高さ1メートル超(茅ヶ崎市は0.8メートル超の部分を0.8メートル以下にする工事)、長さ1メートル以上といった線引きがあります。 |
| 工事のしかた | 単独の撤去であること、撤去後に建てるものの高さに制限があること、建て替えや建物の解体に伴う撤去は対象外とする市があること。 |
擁壁の上に建っている塀は、擁壁を含めた高さで判断する市(鎌倉市・藤沢市)があります。がけの上の家では、塀ではなく擁壁やがけ地の助成が使えることもあるので、まとめて担当課に相談したほうが早いです。
よくある質問
いちばん手厚いのはどの市ですか?
2026年9月時点で、上限額がいちばん大きいのは藤沢市です(対象工事費の2分の1・上限30万円、津波避難路沿いは4分の3・上限45万円)。ただし受け取れる額は工事費に対する割合で決まるため、塀が短い場合は上限に届きません。
補助が無い市では、どうすればいいですか?
横須賀市のように制度が終了した市では、全額自己負担が前提になります。ただし危険な塀を放置して通行人にけがをさせた場合、工作物の管理責任は所有者にあります(民法717条)。補助の有無にかかわらず、危険な塀は撤去する前提で見積を取っておくのが安全です。
実家を売る前に塀を壊すと補助は使えますか?
鎌倉市は販売目的での除却を明確に対象外としています。他の市でも、建て替えや解体に伴う撤去を対象外とする例があります。売却の予定があるなら、申請の前に担当課へ目的を伝えて確認してください。
受付が終わった市は、来年また申請できますか?
小田原市は令和8年度の受付を2026年9月11日に終了していますが、予定では毎年5月から11月にかけて受け付けています。翌年度の受付開始を待つか、自己負担で先に進めるかの判断になります。危険度が高い塀を1年待つのは勧められません。
根拠:秦野市「危険ブロック塀等防災工事補助」/横須賀市「ブロック塀等の安全点検について」/鎌倉市「危険なブロック塀等の除却費用補助制度について」/茅ヶ崎市「危険ブロック塀等の撤去費補助金のご案内」/藤沢市「ブロック塀等の安全対策工事費用を補助します」/小田原市「ブロック塀等撤去費補助金」(いずれも2026年9月時点。制度は年度ごとに変わります)