
誰も住まなくなった実家の片付けは、順番を間違えると損をします。捨てる前に確認するもの、費用の決まり方、そして「査定と片付けはどちらが先か」を、現場で見てきたことと市の公表資料から整理しました。
捨てる前に確認する5つ
片付けを急ぐ気持ちはわかりますが、先に捨ててしまうと取り返しがつかないものがあります。
- 権利にかかわる書類。登記識別情報(権利証)、売買契約書、境界の確認書、建築確認済証・検査済証。売るときに無いと困ります。
- お金にかかわるもの。通帳、証券、保険証券、年金の書類、現金や貴金属。相続の話がついていない段階で処分すると、あとで問題になります。
- 遺言書。自筆の遺言書が出てきたら、封を開けずに家庭裁判所の検認へ。
- 写真とアルバム。あとから欲しくなっても戻りません。迷ったら、いったん箱にまとめて保管してください。
- 売れるもの。骨董、和装、工具、カメラ。処分費を払うつもりのものが、買い取りになることがあります。
相続人が複数いるなら、片付けの前に一声かけてください。「勝手に処分した」は、金額の大小にかかわらず、あとあとまで残るしこりになります。写真を撮って共有し、処分するものの一覧を作ってから動くと安全です。
費用は「量」と「運び出しやすさ」で決まる
残置物の処分費は、おおまかに次の要素で決まります。
- 物の量(間取りより、実際に詰まっている量)
- 運び出しやすさ(階数、エレベーターの有無、トラックを家の前に停められるか)
- 作業員の人数と日数
- 処分するものの種類(家電リサイクル法の対象品、消火器、塗料、ピアノなどは別料金)
- 買い取りできるものがあるか(あれば差し引かれます)
同じ「2階建て・4部屋」でも、押し入れと物置が詰まっている家と、家具だけの家では金額がまったく違います。写真を送るだけで概算を出す業者もあるので、現地に行けない相続人でも、まず目安だけは掴めます。
まず、いくらかかるかを知る
片付けの費用は、間取りではなく「詰まっている量」で決まります。売る・貸す・壊すのどれを選ぶにしても、この金額がわからないと比べられません。
無料で片付け・遺品整理の見積を依頼する現地見積は無料・24時間受付庭の片付けは → 草・雑草の管理
市の補助はほとんど無い
神奈川県内の6市を調べた範囲では、家財の処分そのものに補助を出している市はほとんどありませんでした。例外が秦野市です。
秦野市は、空家バンクの登録者向けに家財処分・庭木の補助(3分の1・上限12万円)とリフォーム補助(3分の1・上限50万円)を用意しています。ただし空家バンクへの登録が前提です。売る前提で片付けるだけなら対象になりません。秦野市の空家バンクは成約率84.75%、累計登録270件です。
他の市では、片付け費用は自己負担が前提です。そのぶん、業者選びと見積の取り方で差がつきます。
片付けと売却、どちらが先か
結論から言うと、査定が先で、片付けが後のことが多いです。
- 買取業者は、家財が残ったままでも査定できます。「残置物ありのまま買い取る」業者もあり、その場合は片付け費用が不要になります。
- 仲介で売る場合は、内見のために片付けが必要になりますが、それでも「いくらで売れそうか」を先に知ってからのほうが、片付けにいくらかけるべきかを判断できます。
- 解体して更地にするなら、残置物は解体費に含めてもらえることがあります。別々に頼むと二度手間です。
順番を間違えて「50万円かけて片付けたのに、残置物ありでも同じ値段だった」というのは、よくある話です。
よくある質問
実家の片付けにいくらかかりますか?
物の量、運び出しやすさ、作業員の人数、処分するものの種類で決まります。同じ間取りでも、押し入れや物置が詰まっている家とそうでない家では金額が大きく変わるため、写真を送るか現地を見てもらって見積を取るのが確実です。
片付ける前に捨ててはいけないものは何ですか?
登記識別情報(権利証)、売買契約書、境界確認書、建築確認済証・検査済証といった権利や建物にかかわる書類、通帳や証券などお金にかかわるもの、自筆の遺言書(封を開けずに家庭裁判所の検認へ)、写真やアルバムです。売れるものが混ざっていることもあります。
家財の処分に市の補助はありますか?
神奈川県内の6市を調べた範囲では、秦野市が空家バンクの登録者向けに家財処分・庭木の補助(3分の1・上限12万円)を用意している以外、見当たりませんでした。空家バンクへの登録が前提です。
片付けと売却はどちらが先ですか?
査定が先のことが多いです。買取業者は家財が残ったままでも査定でき、残置物ありのまま買い取る業者もあります。いくらで売れるかを知ってから、片付けにいくらかけるかを決めるほうが損をしません。
根拠:秦野市 空家バンク関連の補助(家財処分・庭木1/3上限12万円、リフォーム1/3上限50万円)/法務省「自筆証書遺言書保管制度」(いずれも2026年9月時点。制度は年度ごとに変わります)